コラム「足あとを灯す」『第11編 唸る風のなかで』
第11編:唸る風のなかで〜揺らぎの季節を歩む
十月も下旬を迎えたというのに、季節外れの台風の影響か、真夏を思わせる三十度を超える熱気が列島を覆いました。唸りをあげて吹き荒れる強い風のなか、夕日に染まる茜色の雲が南から北へと猛烈な速さで流れていきます。
明日以降には一転して十一月並みの寒気に包まれるといい、目まぐるしい季節の急転に戸惑いを覚えずにはいられません。今年の冬は一体どんな表情を見せるのでしょうか。振り返れば、この半年間というもの、思うように快復しない体調の波と付き合いながら、ふと胸に不安がよぎることもありました。
しかし、聖書が「患難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生み出す」と教えるように、思い通りにならない日々の中でこそ、無駄な力が削ぎ落とされ、深く磨かれていくものがあると信じます。揺れ動く大気や身体の不調に心を奪われすぎず、足もとを静かに照らしながら、いま目の前にあるなすべき務めに心を注ぐこと。どのような季節の嵐にあっても変わらぬ希望の光を仰ぎ見つつ、今日という一日を誠実に歩み続けてまいります。(学校法人堀口学園理事長)