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コラム「足あとを灯す」『第12編 内に迎え入れる』――「インクルージョン」の語源と原点
コラム「足あとを灯す」

コラム「足あとを灯す」『第12編 内に迎え入れる』――「インクルージョン」の語源と原点

コラム「足あとを灯す」『第12編 内に迎え入れる』――「インクルージョン」の語源と原点

近年、福祉や教育をはじめ社会のあらゆる場面で「インクルージョン」という言葉を耳にするようになりました。日本語に訳すと「包摂性」というわかりにくい意味です。その根底にある意味を辿ると、ラテン語の「includere(インクルーデレ)」に行き着きます。「in(中に)」と「claudere(閉じる)」が合わさった言葉で、もともとは「囲いの中に迎え入れ、大切に包み込む」という意味合いを持っていたのです。

社会的な概念としてのインクルージョンは、一九七〇年代のフランスにおいて、貧困や障がいによって社会の周縁へと追いやられる「社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)」に抗う思想として産声を上げたと言われます。誰一人として外側に締め出さず、同じ社会の一員として輪の内側に包み込む――その切実な叫びが発端だったのです。

言葉の成り立ちを知るとき、インクルージョンとは単なるスローガンや制度の枠組みではなく、「相手を排除せず、温かく迎え入れる心の態度」そのものであることに気づかされます。こども園や保育園、児童発達支援の現場において、私たちは子どもたち一人ひとりをどのようなまなざしで迎え入れているでしょうか。

外側のルールで枠をはめるのではなく、まずは存在する命をそのまま丸ごと包み込むこと。これは法人の基本理念ともしっかりと繋がっています。語源が教える温かな原点を胸に、日々の保育と支援の場を見つめ直してまいります。(学校法人堀口学園理事長)