コラム「足あとを灯す」『第10編:きらきら星がひらく可能性』〜子どものまなざしに励まされて〜
コラム「足あとを灯す」『第10編:きらきら星がひらく可能性』〜子どものまなざしに励まされて〜
難病ジストニアにより指の自由を失い、「二度とピアノは弾けない」と宣告された西川悟平氏。絶望の淵にいた彼を再び鍵盤へと向かわせたのは、ある幼稚園の子どもたちでした。
動かぬ指を抱え、「こんな格好悪い指で弾けるわけがない」とうつむく彼に、子どもたちは無心に「弾いて」とせがみます。意を決して残る指で「きらきら星」を奏でると、子どもたちは歓声をあげて歌い、「きれいだったね」と微笑みかけたのです。大人は外見の不自由さや「失われた機能」にとらわれ、限界を勝手に決めてしまいがちです。しかし子どもたちは、ただ響いてきた一音一音の美しさに心を躍らせ、目の前の命をありのままに受け止めました。
「五本しかないのではなく、五本も残っている」――。子どもたちの無垢なまなざしによって、呪縛は感謝と希望へと塗り替えられました。
法人の創設者が掲げていた「幼な子に仕え、幼な子を愛し、幼な子と共に」という思い、そして「すべての子どもの未知なる可能性の開花をめざす」という確信とも繋がっていることを感じます。子どもは教育されるだけの存在ではなく、大人の曇った心を照らし、生きる力を呼び覚ましてくれる導き手です。子どもたちの無限の可能性を信じ、共に歩む喜びを胸に、明日からも保育と療育の歩みを重ねてまいります。(理事長)