コラム「足あとを灯す」〜第1編「理念と教育」理事長のコラム(週一回程度更新予定)を始めます。
第1編「理念と教育」〜言葉を噛み砕く〜
ご飯をよく噛んで食べる力は、体が大きく丈夫に育つためにとても大切な力です。柔らかいものばかりを食べていては、噛むための筋肉や顎の骨はしっかりと育ちません。実は、心と言葉の発達もそれとまったく同じです。
大人が先回りして、何でも小さく細かく噛み砕いた離乳食のような言葉ばかりを手渡していては、子どもが自らの頭で深く考え、困難を乗り越える強い心を育むことはできません。ときには、少し背伸びが必要な「硬くて難しい言葉」や「簡単には答えの出ない大きな問い」に出会うことも大切です。
「これはどういう意味だろう」「どうしてだろう」と、子どもが自分の頭と心で一生懸命に噛み砕き、咀嚼するからこそ、考える力と豊かな感性がぐんと育っていきます。大人が安易に答えを与えてしまうのではなく、子ども自身が自らの力で噛み砕く力を信じ、温かく見守り待つ姿勢こそが求められています。
私がこれまでに辿ってきた足あとを振り返り、目には見えないけれど確かにそこにある大切なものを再確認しながら、皆さんの未来をそっと照らす小さな灯火となることを願い、このコラムを綴ってまいります。
学校法人堀口学園 理事長